神様、僕に妹を下さい
Act.093 サイド晶(あきら)
「本当に困るんです。今、生徒会室に行くのはちょっと」
この顔で、皇兄と鉢合わせなんてしたくない
「なぁ、ひまわりの種好きか?」
この人、私の話を聞いているのだろうか?
そりゃぁ、小さい頃ひまわりから種を取り出し、バターで炒めて食べたけど
ひまわりって背丈が高いから、皇兄にいつもお願いしてたっけ
「なぁ、好きやろ」
「はぁ・・まぁ」
嫌いな部類には入らないけど
「やっぱりな。『もも』もひまわりの種が好きやった」
ひまわりの種が好物って、どういう人だったのだろう。『もも』さんて
「ようこそ我が生徒会室へ」
カチャリとドアが開けられ、私の目の前に20人掛けの大きなテーブルが広がった
「てきとーに座っといて。救急箱と氷持ってくるから」
私は恐る恐る首だけ入り、生徒会室を見回した。人の気配はない・・と
もちろん皇兄の姿もない
「ほ・・」
胸をなでおろし、後ろの窓際の席に座った。窓を覗くと、音楽室の明かりが見下ろせた
「狩野先輩、まだがんばってる」
突然飛び出してきたから、心配しているかなぁ
ごめんなさいと心のなかでそっと呟く
「ひゃ!」
突然、頬に冷たい衝撃が走り、私は声を上げた
「よそ見せんと、これで冷やしとき」
タオルに包んだ保冷剤を手渡され、顔に当てた
「反対の手かしてみ、引掻き傷や。双葉爪、長いからなぁ」
傷口に消毒液をかけられ、キズバンを貼られる
「あんた、バレー部なんか?掌に仰山、傷してるし」
「ち・違います。料理の時に出来た傷です」
「それならええわ。何か飲むか?コーヒー、紅茶、昆布茶もあるし」
「いえ、もう帰らないと」
私がケンカをしている間に皇兄は帰ってしまったんだ
だから、私が学校に残っている意味がなくなった
仮に皇兄がいたとしても、この顔では会えないけどね
「あかん。もう少し一緒にいてくれるって、約束したやんか。『もも』の好きなひまわりの種もあるし」
ガラスのカクテルの器の中にカラフルなチョコにコーティングされたひまわりの種が出てきた
「わぁ、カワイイ」
「これ、食べてから帰ってもええやろ。飲み物は何がええ?」
「それじゃ、昆布茶で」
つい、答えてしまった自分に後で後悔してしまった
この顔で、皇兄と鉢合わせなんてしたくない
「なぁ、ひまわりの種好きか?」
この人、私の話を聞いているのだろうか?
そりゃぁ、小さい頃ひまわりから種を取り出し、バターで炒めて食べたけど
ひまわりって背丈が高いから、皇兄にいつもお願いしてたっけ
「なぁ、好きやろ」
「はぁ・・まぁ」
嫌いな部類には入らないけど
「やっぱりな。『もも』もひまわりの種が好きやった」
ひまわりの種が好物って、どういう人だったのだろう。『もも』さんて
「ようこそ我が生徒会室へ」
カチャリとドアが開けられ、私の目の前に20人掛けの大きなテーブルが広がった
「てきとーに座っといて。救急箱と氷持ってくるから」
私は恐る恐る首だけ入り、生徒会室を見回した。人の気配はない・・と
もちろん皇兄の姿もない
「ほ・・」
胸をなでおろし、後ろの窓際の席に座った。窓を覗くと、音楽室の明かりが見下ろせた
「狩野先輩、まだがんばってる」
突然飛び出してきたから、心配しているかなぁ
ごめんなさいと心のなかでそっと呟く
「ひゃ!」
突然、頬に冷たい衝撃が走り、私は声を上げた
「よそ見せんと、これで冷やしとき」
タオルに包んだ保冷剤を手渡され、顔に当てた
「反対の手かしてみ、引掻き傷や。双葉爪、長いからなぁ」
傷口に消毒液をかけられ、キズバンを貼られる
「あんた、バレー部なんか?掌に仰山、傷してるし」
「ち・違います。料理の時に出来た傷です」
「それならええわ。何か飲むか?コーヒー、紅茶、昆布茶もあるし」
「いえ、もう帰らないと」
私がケンカをしている間に皇兄は帰ってしまったんだ
だから、私が学校に残っている意味がなくなった
仮に皇兄がいたとしても、この顔では会えないけどね
「あかん。もう少し一緒にいてくれるって、約束したやんか。『もも』の好きなひまわりの種もあるし」
ガラスのカクテルの器の中にカラフルなチョコにコーティングされたひまわりの種が出てきた
「わぁ、カワイイ」
「これ、食べてから帰ってもええやろ。飲み物は何がええ?」
「それじゃ、昆布茶で」
つい、答えてしまった自分に後で後悔してしまった