神様、僕に妹を下さい
Act.094 サイド晶(あきら)
生徒会室ってこんなに広いんだ。ぐるりと目線を一周してみた
つい立の向こうには、ミニキッチンもある
この広いテーブルについて会議とかしているんだろうなぁ
皇兄はいつも何処に座っているのだろう?
「ほら、『もも』あーん、しいや」
私が顔を冷やす為、両手が塞がっているのをいい事に、沢村(兄)こと生徒会長はティスプーンでひまわりの種のお菓子を掬って私に食べさせていた
その事は別に構わないけど、なんで『もも』て呼ばれているんだろう?
「んー。よしよし」
食べた後は必ず頭を撫でられるし、万遍の笑顔なんだなこれが
「この髪、きれいな栗色やなぁ」
「これは、お父さんからの遺伝なんです」
よく、染めているんじゃないかって疑われるけど、正真正銘地毛色なのだ
皇兄はお母さんの遺伝が強いせいか、艶やかな漆黒の髪色。ゆえに私たちが兄妹だと気付かれないのも、この髪の色も理由の一つだと思う
「だが、瞳はオニキスのように大きい黒や。とても芯が強い・・俺あんたの瞳どこかで見たことがあるような気が・・」
「まぁ・・気のせいじゃぁ」
黒い瞳だけは唯一皇兄と似ていると言われている
会長は、いつも皇兄と顔を合わせているわけで・・・
カチャッ
生徒会室の内扉が開くと、沢村双葉が両手に書類を抱えて出てきた
「ちょっと、オニイチャンなんでこの女がここにいるのよ」
「お前がつけた傷を手当したんや。ついでにお前もしてやろうか?」
「結構よ。私はちゃんと皇紀先輩にしてもらったもん」
え!皇兄に手当てを・・・?
「私、思い出したの。あなた同じ1年の『にわ』とか言う女でしょ。殴られた時はムカついたけど、皇紀先輩に手当てしてもらえたから、まぁ許してあげるわ。あっ、私コピーしに行かないと、皇紀先輩に頼まれたのよねぇ」
パタパタと彼女は走って行った
「はー。相変わらず単純な奴やなぁ」
「あの・・あの部屋は?」
「会長室や。今は、こーちゃんに貸してるけど」
「こーちゃんて?」
まさか・・まさか・・
「桜庭皇紀でこーちゃんや。あんたも聞いた事があるやろ。会うか?」
「け・・結構です。さっさよなら」
急いで立上がると、生徒会室を転がるように後にした
つい立の向こうには、ミニキッチンもある
この広いテーブルについて会議とかしているんだろうなぁ
皇兄はいつも何処に座っているのだろう?
「ほら、『もも』あーん、しいや」
私が顔を冷やす為、両手が塞がっているのをいい事に、沢村(兄)こと生徒会長はティスプーンでひまわりの種のお菓子を掬って私に食べさせていた
その事は別に構わないけど、なんで『もも』て呼ばれているんだろう?
「んー。よしよし」
食べた後は必ず頭を撫でられるし、万遍の笑顔なんだなこれが
「この髪、きれいな栗色やなぁ」
「これは、お父さんからの遺伝なんです」
よく、染めているんじゃないかって疑われるけど、正真正銘地毛色なのだ
皇兄はお母さんの遺伝が強いせいか、艶やかな漆黒の髪色。ゆえに私たちが兄妹だと気付かれないのも、この髪の色も理由の一つだと思う
「だが、瞳はオニキスのように大きい黒や。とても芯が強い・・俺あんたの瞳どこかで見たことがあるような気が・・」
「まぁ・・気のせいじゃぁ」
黒い瞳だけは唯一皇兄と似ていると言われている
会長は、いつも皇兄と顔を合わせているわけで・・・
カチャッ
生徒会室の内扉が開くと、沢村双葉が両手に書類を抱えて出てきた
「ちょっと、オニイチャンなんでこの女がここにいるのよ」
「お前がつけた傷を手当したんや。ついでにお前もしてやろうか?」
「結構よ。私はちゃんと皇紀先輩にしてもらったもん」
え!皇兄に手当てを・・・?
「私、思い出したの。あなた同じ1年の『にわ』とか言う女でしょ。殴られた時はムカついたけど、皇紀先輩に手当てしてもらえたから、まぁ許してあげるわ。あっ、私コピーしに行かないと、皇紀先輩に頼まれたのよねぇ」
パタパタと彼女は走って行った
「はー。相変わらず単純な奴やなぁ」
「あの・・あの部屋は?」
「会長室や。今は、こーちゃんに貸してるけど」
「こーちゃんて?」
まさか・・まさか・・
「桜庭皇紀でこーちゃんや。あんたも聞いた事があるやろ。会うか?」
「け・・結構です。さっさよなら」
急いで立上がると、生徒会室を転がるように後にした