神様、僕に妹を下さい
Act.095 サイド皇紀(こうき)
パタパタパタ
隣の生徒会室から走る音が響き渡った
気のせいか?晶の足音に似ているが・・
「『もも~』戻って来いやー」
隣の部屋に行くと、沢村会長が携帯電話を片手に叫んでいた
「どうしたんですか?」
晶がこんな所にいるはずがない
足音だけで、過剰反応しすぎだな。オレ
「『もも』が逃げたんや」
『もも』って、会長が飼ってたハムスターの名前だったな
「せっかく、写メろうと思っとたんに・・」
会長は残念そうに溜息をつくと、カメラのレンズをオレのほうに向けた
「やっぱり!」
瞬時に会長から携帯を取り上げる
沢村双葉の携帯画面を見た時、なんで生徒会会議時の写真があるのかと疑問に思っていた
この人が隠れて写していたんだ
「会長、人の写真を勝手に写さないで下さい。しかも妹に渡しているでしょう」
「ええやないか。減るもんでもないし、それにこーちゃんの写真人気あるんや」
・・たく、さすが兄妹
悪びれもせず、言動も一緒
「今度やったら、本当に怒りますよ」
そう釘をさしても、やるんだろうな。この人は・・・
あきらめつつ携帯の画面を見ると、茶色の毛並みで、大きな黒目のハムスターが写っていた
「これが、『もも』とかいうハムスターですか?」
「そうなんや、かわええやろ」
「はぁ・・・まぁ」
曖昧に返事をする
ハムスターの顔はどれも同じだろうし、動物には興味ないしな
「この『もも』とそっくりの子がさっきまでいたんや。ひまわりの種を美味しそうに食べてからに、めっちゃカワイイねん」
「ひまわりの種なんて懐かしい」
チョコレートにコーティングされた種をひとつつまんで口の中に入れる
「こーちゃんも食べるんか?」
「昔、食べてましたよ。バターで炒めたりして」
小学時代、庭にひまわりの種を植えて、晶と一緒に育てた
黄色い大きな花が咲い後、種をつけると一緒に採取して、食べたよなぁ
俺が中学に入ると同時に止めてしまったが
「こーちゃんの名前を出した途端、逃げていきよった」
まるで、逃がしたのがオレのせいだと言わんばかりだ
明日から学校は休み
晶と顔を合わせる機会が自然に増えてしまうんだな
ひまわりの種を一つつまみながら、そんな事を考えていた
隣の生徒会室から走る音が響き渡った
気のせいか?晶の足音に似ているが・・
「『もも~』戻って来いやー」
隣の部屋に行くと、沢村会長が携帯電話を片手に叫んでいた
「どうしたんですか?」
晶がこんな所にいるはずがない
足音だけで、過剰反応しすぎだな。オレ
「『もも』が逃げたんや」
『もも』って、会長が飼ってたハムスターの名前だったな
「せっかく、写メろうと思っとたんに・・」
会長は残念そうに溜息をつくと、カメラのレンズをオレのほうに向けた
「やっぱり!」
瞬時に会長から携帯を取り上げる
沢村双葉の携帯画面を見た時、なんで生徒会会議時の写真があるのかと疑問に思っていた
この人が隠れて写していたんだ
「会長、人の写真を勝手に写さないで下さい。しかも妹に渡しているでしょう」
「ええやないか。減るもんでもないし、それにこーちゃんの写真人気あるんや」
・・たく、さすが兄妹
悪びれもせず、言動も一緒
「今度やったら、本当に怒りますよ」
そう釘をさしても、やるんだろうな。この人は・・・
あきらめつつ携帯の画面を見ると、茶色の毛並みで、大きな黒目のハムスターが写っていた
「これが、『もも』とかいうハムスターですか?」
「そうなんや、かわええやろ」
「はぁ・・・まぁ」
曖昧に返事をする
ハムスターの顔はどれも同じだろうし、動物には興味ないしな
「この『もも』とそっくりの子がさっきまでいたんや。ひまわりの種を美味しそうに食べてからに、めっちゃカワイイねん」
「ひまわりの種なんて懐かしい」
チョコレートにコーティングされた種をひとつつまんで口の中に入れる
「こーちゃんも食べるんか?」
「昔、食べてましたよ。バターで炒めたりして」
小学時代、庭にひまわりの種を植えて、晶と一緒に育てた
黄色い大きな花が咲い後、種をつけると一緒に採取して、食べたよなぁ
俺が中学に入ると同時に止めてしまったが
「こーちゃんの名前を出した途端、逃げていきよった」
まるで、逃がしたのがオレのせいだと言わんばかりだ
明日から学校は休み
晶と顔を合わせる機会が自然に増えてしまうんだな
ひまわりの種を一つつまみながら、そんな事を考えていた