神様、僕に妹を下さい
Act.098 サイド皇紀(こうき)
日曜日なんて来なければいいのに・・・・
そう考えるオレって、未練がましい
晶が狩野と出かける事を聞いた途端、そんな事を考えてしまう
晶が楽しければそれでいいはずなのに
晶の幸せを願う自分と、そうでない自分が交差する
目が覚めると、日曜日の11:00だった
11時には出かけると言っていたはずだから、もう家にはいないだろう
「良い天気でよかったな。晶」
部屋を出ると、母さんの部屋から言い争っている声が聞こえてきた
「?」
母さん達はもう出かけたはず・・?でも聞きなれた声だ
1人は母さん、もう1人は晶
『どうして勝手に決めちゃうの?こんな姿で行けないでしょ』
『お母さんだって、まさかそんな姿になってるなんて思わないわよ。大丈夫、見た目分からないから』
『本当に?でも今日は出かける気分じゃないんだけど・・』
『もう、この子は!約束の時間が来ているのよ。ごちゃごちゃ言うんだったら、皇ちゃんに言うわよ』
立ち聞きするつもりはなかったが、ドア越しについ2人の会話を聞いてしまっていた
『こんな姿』とか言っているが、服装で意見が食い違っているのか?
それに、オレに言うとか言っているが何を・・?
色々考えを巡らせていると、部屋のドアが開き、母さんと目が合った
「あら、いい所にいたわ。皇ちゃん手先が器用でしょ。晶ちゃんの髪をまとめてくれないかしら」
「あ・・いや」
返事に困っていると、腕を掴まれ部屋の中に引きずりこまれた
「じゃぁ、任せたわよ。お母さんも仕度があるから」
一方的に言われ、言い返す間もなく、母さんは視界から消えていった
「任せたって・・」
振り向くと、薄いピンクのキャミソールワんピの上に、白地のカーデガンを羽織った晶が鏡台の前にちょこんと座っていた
あぁ、何時間ぶりに見る晶は、なんて可愛いんだろう
「こ・・皇兄!」
晶は鏡越しにオレと目が合うと、すぐに目線を反らしうつむいた
なんだ、この反応?
多少の違和感を持ちながら、晶の背丈にあわせ後ろで膝をついた
「母さんから髪をまとめろって言われたけど、どうする?」
「あ・・うん」
晶はうつむいたまま、顔を上げようとしない。目線も鏡の自分を見ている訳でもなく、鏡台の下に注がれていた
そう考えるオレって、未練がましい
晶が狩野と出かける事を聞いた途端、そんな事を考えてしまう
晶が楽しければそれでいいはずなのに
晶の幸せを願う自分と、そうでない自分が交差する
目が覚めると、日曜日の11:00だった
11時には出かけると言っていたはずだから、もう家にはいないだろう
「良い天気でよかったな。晶」
部屋を出ると、母さんの部屋から言い争っている声が聞こえてきた
「?」
母さん達はもう出かけたはず・・?でも聞きなれた声だ
1人は母さん、もう1人は晶
『どうして勝手に決めちゃうの?こんな姿で行けないでしょ』
『お母さんだって、まさかそんな姿になってるなんて思わないわよ。大丈夫、見た目分からないから』
『本当に?でも今日は出かける気分じゃないんだけど・・』
『もう、この子は!約束の時間が来ているのよ。ごちゃごちゃ言うんだったら、皇ちゃんに言うわよ』
立ち聞きするつもりはなかったが、ドア越しについ2人の会話を聞いてしまっていた
『こんな姿』とか言っているが、服装で意見が食い違っているのか?
それに、オレに言うとか言っているが何を・・?
色々考えを巡らせていると、部屋のドアが開き、母さんと目が合った
「あら、いい所にいたわ。皇ちゃん手先が器用でしょ。晶ちゃんの髪をまとめてくれないかしら」
「あ・・いや」
返事に困っていると、腕を掴まれ部屋の中に引きずりこまれた
「じゃぁ、任せたわよ。お母さんも仕度があるから」
一方的に言われ、言い返す間もなく、母さんは視界から消えていった
「任せたって・・」
振り向くと、薄いピンクのキャミソールワんピの上に、白地のカーデガンを羽織った晶が鏡台の前にちょこんと座っていた
あぁ、何時間ぶりに見る晶は、なんて可愛いんだろう
「こ・・皇兄!」
晶は鏡越しにオレと目が合うと、すぐに目線を反らしうつむいた
なんだ、この反応?
多少の違和感を持ちながら、晶の背丈にあわせ後ろで膝をついた
「母さんから髪をまとめろって言われたけど、どうする?」
「あ・・うん」
晶はうつむいたまま、顔を上げようとしない。目線も鏡の自分を見ている訳でもなく、鏡台の下に注がれていた