ところで、警察の制服を着ていない安西さんは、着ているときよりもずっと若く見えた。



同じ歳くらいだと思っていたけれど、もしかしたらもっと若いかも。



安西さんは、私たちが荷物をまとめていることに気がつくと、



「あ、お忙しいのに、失礼しました」



と言って、手に提げていた小さな紙袋を差し出した。



「近々お伺いしようと昨日病院に電話しましたら、今日退院だと聞いたもので…もう、これは急がなくては、と思いまして」



事故の説明は済んだはずだし、そんなに急いで一体どうしたんだろう。



「また調査かなにか、あるんでしょうか」



同じ思いを抱いたらしいお義母さんが心配顔で尋ねると、安西さんは慌てて首を振った。



「いえいえ、そうじゃないんです!実はこれ、事故現場に落ちていたご主人のものと思われるもので、警察でお預かりしていたものですから」



「え!」



入院したときに、事故で散乱した私物は全部受け取ったつもりだったのに、まだあったのだ。





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