声
アルバイトが休みの、ある日のこと。
午後から来客がある予定だったけれど、時間までゆっくりしようと、私はリビングのソファに座って本を読んでいた。
同じ部屋では、リュウくんがテレビゲームに夢中になっている。
♪ピロリロ
と音がしたので顔を上げると、テレビ画面では赤い帽子をかぶったヒゲのおじさんが変なポーズで静止していて、その画面の前に座ったリュウくんが、私のほうを見ていた。
「ミオちゃん、ジュースちょうだい」
なにかと思えば、そんなこと。
「はいはい、ジュースね」
私が立ち上がってキッチンへ向かうと、また、
♪ピロリロ
と音がして、ヒゲのおじさんが元気に走り始めた。
午後から来客がある予定だったけれど、時間までゆっくりしようと、私はリビングのソファに座って本を読んでいた。
同じ部屋では、リュウくんがテレビゲームに夢中になっている。
♪ピロリロ
と音がしたので顔を上げると、テレビ画面では赤い帽子をかぶったヒゲのおじさんが変なポーズで静止していて、その画面の前に座ったリュウくんが、私のほうを見ていた。
「ミオちゃん、ジュースちょうだい」
なにかと思えば、そんなこと。
「はいはい、ジュースね」
私が立ち上がってキッチンへ向かうと、また、
♪ピロリロ
と音がして、ヒゲのおじさんが元気に走り始めた。