声
結婚式のDVD撮影は、あの同僚4人が引き受けてくれた。
とくにニコさんが、そういう機器を触るのが好きとのことだった。
あの穏やかな笑顔からは、ちょっと意外な気がしたのを覚えている。
式が終わって一ヶ月くらいしてから、編集済みのDVDを受け取った。
彼と私の実家用、そして今ここにあるのは、私たち用のスペシャル編集版だそうだ。
実は、私たちはまだそれを見ていない。
なんという恩知らずなことだろう。
でも、なぜか彼が見たがらなかったのだ。
ミオがひとりのときに見て、と言われてケンカっぽくなって、
「せっかくの思い出なのに見たくないなんて」
とふくれっつらをする私を、彼が懸命になだめていた。
私はDVDを手に持って、しばらく考えた。
―…映画も観たいけど。
でも結局私は透明ケースだけを持ってリビングに戻り、DVDプレーヤーの電源を入れた。
とくにニコさんが、そういう機器を触るのが好きとのことだった。
あの穏やかな笑顔からは、ちょっと意外な気がしたのを覚えている。
式が終わって一ヶ月くらいしてから、編集済みのDVDを受け取った。
彼と私の実家用、そして今ここにあるのは、私たち用のスペシャル編集版だそうだ。
実は、私たちはまだそれを見ていない。
なんという恩知らずなことだろう。
でも、なぜか彼が見たがらなかったのだ。
ミオがひとりのときに見て、と言われてケンカっぽくなって、
「せっかくの思い出なのに見たくないなんて」
とふくれっつらをする私を、彼が懸命になだめていた。
私はDVDを手に持って、しばらく考えた。
―…映画も観たいけど。
でも結局私は透明ケースだけを持ってリビングに戻り、DVDプレーヤーの電源を入れた。