声の主は、ニコさんのようだ。



でも姿は見えないから、きっとカメラを持っているのだろう。



画面に、木下さんが現れた。



『おーい、ミオちゃーん』



ご機嫌に手を振っている。



私も、画面の木下さんに向かって手を振ってみる。



木下さんの後ろから、ニョキッとヒロさんが顔を出した。



お酒で顔を赤くして、楽しそうに笑っていた。



そしてすぐ、今度は北岡さんが、彼と肩を組んで画面に入ってきた。



カメラマンのニコさんと合わせて、全員集合だ。



「あ、これ…」



あのときだ。



やっと食事にありつけると思って喜んだのに、ムリヤリ引っ張っていかれたとき。



隅っこでワイワイやってるなぁ、とは思っていたけれど。



「ふふ、なぁにやってんだか…」





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