私は誰もいない部屋でひとりしゃべりながら、カメラの前ではしゃぐ彼らに目を奪われていた。



彼らはずっとじゃれ合っていて、ときどきニコさんにまでタックルをするので、画面が大きく揺れた。



静かな部屋に、笑い声だけが響く。



「みんな子供みたい」



その光景は、まるで今のリュウくんがたくさんいるみたいだった。



それにしても…いつまで続くのだろう、これは。



延々と続く、彼らのじゃれ合い。



楽しそうで、微笑ましくて、うらやましかった。



そういえばあの日も、仲間っていいなと思ったなぁ。



と、ほろ酔いの私が感傷的になりかけた頃、ニコさんが、



『おーい!ねえ、時間ないし、そろそろ始めよう!』



と大きな声で言った。





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