時刻は午後を大きく回っていた。



私たちは、飛行機を降りてまっすぐにここに来たので、まだお昼を食べていない。



だから荷物を解いたら、国際通りで食事をしようということになった。



「リュウくん、なに食べたい?」



話しながら、余分な荷物をバッグから取り出す。



私のバッグの中は、財布と携帯とハンカチと、それから、小さな包みがひとつ。



ずっと持ち歩くと決めた、大切なモノだ。



「えっとね、なんでもいいー」



リュウくんは、とくに考えた様子もなく言った。



きっとかなり空腹なのだろう。



リュウくんのかわりに、



「ゴーヤ、ゴーヤ!俺、ゴーヤ食いたい!」



ヒロさんが、元気いっぱいにガイドブックをめくっている。





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