声
◎
彼はまだ、式場に来ていなかった。
私は一足先に担当のウェディングプランナーに挨拶をして、控え室に連れていってもらった。
部屋に入ると、最初に真っ白なウェディングドレスが目に飛び込んできた。
たったそれだけのことで、それまで何ともなかった心臓の動きが、急に速くなった。
試着やサイズ調整で、何度か袖を通したドレス。
これを着るのも、今日が最後。
―…『私たちクリスチャンじゃないのに、当たり前のように教会をさがしてウェディングドレスを試着して、って準備してたでしょ』
沖縄で、ふと思ったこと。
あのときは、教会で式をあげることに少しの罪悪感すら抱いた。
でも、今は違う。
自分たちで作り上げてきた結婚式が、誇らしい。
よかった、彼が「日本特有の文化」と言ってくれて。
あとは幕が開くのを待つだけ。
「リュウくん、早く来ないかなー」
彼はまだ、式場に来ていなかった。
私は一足先に担当のウェディングプランナーに挨拶をして、控え室に連れていってもらった。
部屋に入ると、最初に真っ白なウェディングドレスが目に飛び込んできた。
たったそれだけのことで、それまで何ともなかった心臓の動きが、急に速くなった。
試着やサイズ調整で、何度か袖を通したドレス。
これを着るのも、今日が最後。
―…『私たちクリスチャンじゃないのに、当たり前のように教会をさがしてウェディングドレスを試着して、って準備してたでしょ』
沖縄で、ふと思ったこと。
あのときは、教会で式をあげることに少しの罪悪感すら抱いた。
でも、今は違う。
自分たちで作り上げてきた結婚式が、誇らしい。
よかった、彼が「日本特有の文化」と言ってくれて。
あとは幕が開くのを待つだけ。
「リュウくん、早く来ないかなー」