声
◎
タクシーで15分ほど走ったところで、病院に着いた。
あわてて降りて、入口に向かう。
すると、自動ドアをくぐる直前に、白い雨合羽を着て立っていた男性に呼び止められた。
「川原ミオさんですか」
この声…―
さっきの電話の声だ。
足を止めて、男性のほうを向く。
電話の声がすごく大きかったので大男を想像したけれど、思ったよりも細くて小柄だ。
年齢は、だいたい私と同じくらいだろう。
入口には屋根があるのに雨合羽を着たままなんて、変わった人。
無意識にそんなことを考えながら無言でいると、
「浦浜署の安西です」
と、男性が名乗った。
タクシーで15分ほど走ったところで、病院に着いた。
あわてて降りて、入口に向かう。
すると、自動ドアをくぐる直前に、白い雨合羽を着て立っていた男性に呼び止められた。
「川原ミオさんですか」
この声…―
さっきの電話の声だ。
足を止めて、男性のほうを向く。
電話の声がすごく大きかったので大男を想像したけれど、思ったよりも細くて小柄だ。
年齢は、だいたい私と同じくらいだろう。
入口には屋根があるのに雨合羽を着たままなんて、変わった人。
無意識にそんなことを考えながら無言でいると、
「浦浜署の安西です」
と、男性が名乗った。