ひめゆり…―



おばさんはその言葉に、何を思ったのだろう。



私は後味の悪さを感じ、なぜか後ろめたい気持ちでやちむん通りを先へ進みながら考えた。



『何も感じない人?』



そのひと言が、心に重くのしかかってくる。



沖縄の人の前で軽々しく口にするのは良くなかったのだろうか。



そんなことをうだうだと考えながら、結局あまりすっきりしないまま次の日を迎えた。







朝、おばさんが教えてくれた神の島への行き方を調べてみた。



でもやはり、おばさんの言う通り観光地化していない島のようで、フェリーの本数が少なく、帰りの飛行機に間に合うかどうか不安だ。



悩んだ末、私は最初の計画に沿って、ひめゆりの塔へ向かうことにした。






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