何やってるんだか。



何が「しっかりしなくちゃ」よ。



あきれるわ、ほんと。



カッとなって飛び出すなんて、みっともない。



私は、テーブルに両肘をついて、手で顔をおおった。



走ってきたせいで、息が熱い。



目を閉じて、気持ちを落ち着かせようと思っても、頭の中は、さっきの話のことでいっぱいだ。



医師の言う通りに退院してしまって、本当に良いのだろうか。



―…こんなとき。



彼がいたら、何て言うだろう。



30歳の川原リュウヘイがいたら、何て言うだろう。



あー…。



…会いたいなぁ…。





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