レジで代金を支払いながら長居を詫びると、店員さんはニッコリ笑って、



「またお待ちしております」



と言ってくれた。



内装もかわいいし、店員さんも感じがよくて、素敵なカフェ。



その雰囲気のおかげと本を読んだ効果で、ずいぶんリフレッシュできた。



今私の心にあるのは、お義母さんへの罪悪感だけ。



飛び出したことを早く謝りたくて、急いで病室に戻る。



ドアが開きっぱなしになっていたので、顔を少し出して中の様子を伺った。



お義母さんはドアに背を向ける位置の椅子に座って、リュウくんとテレビを見ていた。



あんなふうに取り乱した私のこと、どう思っただろう。



お義母さんの表情がわからないので、声をかけづらかったけれど、



「あのぅ」



と、コソコソ入って行った。






< 87 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop