「北岡さん!」



すでに廊下に出ていた北岡さんが、びっくりしてドアの隙間から顔を出した。



「え、なに」



「それ」



と私が指差したのは、北岡さんが持っている紙袋だった。



「いただいても、いいですか」



えへへ、と、わざと明るく言ってみる。



北岡さんたちの表情が少しゆるんで、



「やっぱりミオちゃん、プリン目当てかよー」



とヒロさんがからかった。



「違いますってば!ほら、はやく行ってくださーい」



紙袋を受け取って、私は4人を部屋から追い出した。



少しは、空気がなごんだかな…。





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