声
◎
お義母さんたちが話をしている間、私たちは早速ガサガサと紙袋から箱を取り出し、中身をチェックした。
リュウくんは、ふたりきりになった途端によくしゃべるようになった。
「僕、今日プリン3つめだよー」
なんてうんざりしたように言いながらも、うれしそうだ。
「でもこれ、デパートに入ってるケーキ屋さんのプリンだから、コンビニとかよりおいしいよ。リュウくんにはもったいな…あ、ちょっと!」
リュウくんは、ひょいと私の手からプリンを取り上げて、ホクホク顔をしている。
結婚式の披露宴で、やっと料理を食べられると喜んだときのようだ。
あのときは4人に妨害されて、結局食べられなかったけど。
私は思わず、ふふ、と笑って、こういうところは記憶がなくなっても変わらないんだなぁ、と思った。
そして、ふと気がついた。
私、事故以来、はじめて自然に笑顔になれた…―
たったそれだけのことだけれど、緊張続きだったから、肩の力が少し抜けた。
笑顔のまま、プリンをひとくち食べた。
とても甘くて、おいしかった。
お義母さんたちが話をしている間、私たちは早速ガサガサと紙袋から箱を取り出し、中身をチェックした。
リュウくんは、ふたりきりになった途端によくしゃべるようになった。
「僕、今日プリン3つめだよー」
なんてうんざりしたように言いながらも、うれしそうだ。
「でもこれ、デパートに入ってるケーキ屋さんのプリンだから、コンビニとかよりおいしいよ。リュウくんにはもったいな…あ、ちょっと!」
リュウくんは、ひょいと私の手からプリンを取り上げて、ホクホク顔をしている。
結婚式の披露宴で、やっと料理を食べられると喜んだときのようだ。
あのときは4人に妨害されて、結局食べられなかったけど。
私は思わず、ふふ、と笑って、こういうところは記憶がなくなっても変わらないんだなぁ、と思った。
そして、ふと気がついた。
私、事故以来、はじめて自然に笑顔になれた…―
たったそれだけのことだけれど、緊張続きだったから、肩の力が少し抜けた。
笑顔のまま、プリンをひとくち食べた。
とても甘くて、おいしかった。