あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
そのことかな?
「たぶんそうだと思う」
僕がそう答えると2人は驚いているような、すごい!というようなよくわからない表情で僕を見てきた。
な、なんなんだろう?
「お前すごいな、料理作れるなんて!」
「やるじゃん優星!すごぉい!」
そんな褒められるようなことなのかな?
僕にはよくわからないや。
あ、でも……。
「2人は作らないの?」
もしかしたら2人はお金持ちだから料理人とか雇っているかもしれない。
「俺が作らなくてもうちのシェフが作るからな」
「僕のところもそうだよ〜」
2人がそう言ったのでやはりそうなのか、と僕は思った。
じゃあきっと英知や幸希先輩とかもそうなのかな?
この前、英知達を紹介してくれた日も高級店だったし…。
あの時は視線が痛くて喉に通らないし、食べてもあまり味がわからなかったからな…。
「やっぱりすごいよね、琳斗と美琴は…」
僕なんか…。
「すごいのはお前だろ?」
僕のその言葉に意外にも励ましてくれたのは琳斗だった。
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