あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
「今日は…一日中雨かもね」
空を見上げながらそう言った幸希先輩の雰囲気はいつもと何か……何かが違っていた。
「そうですね」
何が違うんだろう?
僕はしばらく幸希先輩の姿をただただ見つめていた。

「幸希先輩、これ!誕生日プレゼント…です」
別れ際、僕は幸希先輩に誕生日プレゼントを渡した。
もしかしたら気に入らないかもしれない。
それに幸希先輩ならもっといいものを持ってるかもしれないし……。
「ありがとう!開けていい?」
「はい、どうぞ…!」
僕が手でどうぞどうぞとアピールする。
幸希先輩はプレゼントを開けていく。
気に入らなかったらどうしよう……。
僕はギュッと目を瞑り、手を握った。
「…ネックレス?と、ブレスレット…」
プレゼントの中を見てクリスマスプレゼントの時みたいにそう言った幸希先輩。
無難だけどやっぱり女性への贈り物ってアクセサリーとかだと思ったんだよな。
「幸希先輩に似合いそうだなと思って…ブレスレットとネックレスもセットで…」
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