あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした

「うん、可愛い！」
星を何度も何度も触っている姿を見ると、気に入っていると思った。
よかった……。
「とっても似合ってます」
そう言うと幸希先輩は「ありがとう」とニコッと笑った。
「雨が強くなる前に帰らないとね」
と切り出した幸希先輩。
待って、僕はまだ幸希先輩に聞かなきゃ行けない事が……。
「さ……」
「今日も楽しかった！ありがとう！……最後にさ…優星はもう死のうなんて思わないよね？」
そう何故か不安そうに聞いてきた幸希先輩に僕は無意識に答えていた。
「はい、幸希先輩が僕を変えてくれたんです。だからもう僕は前を向いて生きることができます！ありがとうございます、幸希先輩」
僕がそう言うと幸希先輩は少し驚いた顔をした。
そしてその後、なぜか泣きそうな顔をしていた。
僕がまた何か言う前に幸希先輩は「それだけ！」と言い捨てて雨の中、走って帰って行った。

守りたかった。
助けたかった。
知りたかった。