あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
あまり興味などないだろうと思っていたお母様は案の定、どうでもよさそうにしていた。
でもお父様は違った。
お父様は私が公立高校に通うことを知ると私の頬を平手打ちし、怒鳴りつけたのだ。
『どうしてそんな底辺な高校にしたんだ!』
お父様は他の人にどう見られるかをいつも気にしていた。
人一倍に……。
だから尚更、私が私立の有名な高校に行かなかったことにとても腹を立てていた。
お父様の怒りはなかなか治まらなかった。
こんなに感情を剥き出しにしたお父様を見たのは初めてだったと思う。
いつも私に無関心で家の事だけをやっていればいいって感じの人だったから。
逆にお母様の怒った姿を見るのは見慣れていた。
だから殴られるのも蹴られるのも暴言を吐かれるのもなれていた。
でもさすがにお父様の平手打ちはかなりのダメージだった。
「はぁ……」
私のことなどいつもほっといてるのに……。
たまには自由にしたっていいじゃないか。
逃げ出したかった。
死にたかった。
早くこんな世界から死んでしまいたかった。
どれだけ願ったか。
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