あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
彼は少しずつ…話し始めた。
少しずつのはずなのに止まらなくなるよね?
本当は誰かに…聞いて欲しかったんだよね?
わかるよ。
私もそうだから。
まあ、誰にも話せないけれど……。
『僕も学校を辞めて働こうか悩んでるんだけど…なんかもういろいろと疲れたから死のうとしたわけ』
と最後に彼は両肘を曲げてやれやれと首を横に振った。
ちゃんと…吐き出せたみたいだね。
そしてきっと…もう死ぬのもな…なんて考えていそうだな。
私も今、そう思ったから。
なら……。
『そうなんだ。じゃあさ…私と遊んでよ』
『は?』
突然私がそう言ったのを聞いて彼は何を言っているんだ、と言いたげな表情で私を見ていた。
街頭を背に私はゆっくりと被っていたフードを取った。
『私と学校終わりお買い物したり食事に付き合ってよ。お金払うからさ!』
ニカッと私はきっと嬉しそうに笑ったんだと思う。
今までとは何か違うように感じた…。
戸惑う彼を見ながら私はこれからの計画を立てた。
これは死ぬためへの計画──。
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