あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
今日はどうしても…優星より早く着いていたいから。
着いてすぐ私は時間を見るためにスマホを見た。
約束の時間よりかなり早いけど待ってればいいよね。
そして私がスマホをしまおうとすると通知音が鳴った。
……メール?
もしかして英知とかかな?
私がメールを開くと私の予想は当たっていた。
英知からお祝いのメールがきていた。
そして続けて琳斗と美琴も。
……誕生日なんて今まで気にしてなかったな。
両親はあれだからね。
祝ってなんてくれるはずも無い。
だから期待なんてしていなかった。
けれど毎年必ずお祝いメールをくれる3人。
本当に感謝しないとな。
そう思っていると前から私の方に向かって走ってくる音が聞こえた。
「幸希先輩!」
私が駆け寄ってくる足音を聞いていると優星が私の名前を呼んだ。
私は顔を上げて優星にニコッと笑った。
「おはよ、優星」
「おはようございます!あの、お誕生日おめでとうございます!!」
「ありがとう」
私がそう言って少し体を動かすとハッと息を飲むような音が聞こえた。
「…っ!」
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