あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
まだ…私の知らない君が……いるのかな。
「つけて」
私は少し恥ずかしいけど思い切って言った。
「君が私につけてよ。折角なんだからさ」
君が私のために選んでくれたプレゼント。
それならさ…君につけてもらいたい。
優星は何故かホッとしたような顔をした後、私の手からスっとネックレスを受け取る。
私は後ろをむく。
そして何故か戸惑うような雰囲気を感じた。
その原因が……。
「先輩、髪…」
どうやら私の髪が邪魔だったみたい。
だけどね…髪をどかしたら見えてしまうの。
私ははそのまま真っ直ぐ見て「いいの、大丈夫」と言った。
優星の手は震えていた。
そして少ししてから優星が「できました」と言って私から少し離れたく。
私は鞄の中から手鏡を取り出して首元にあるネックレスを見た。
……綺麗。
ネックレスは星がついていて、星の真ん中には小さいダイヤがついている。
ブレスレットは星が3つ並んでついている。
この星…まるで優星のものみたい。
私は心の中で噛み締める。
優星……君には驚かされてばかりだね。
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