あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
私はなんとか力を振り絞って私の上に乗っていたお母様をどかした。
「…げほっ!げほげほっ……」
苦しかった。
辛かった。
それはお母様だけじゃない。
私もそうだ。
なのに…お母様は私が苦しんでない。辛くなんかない。
そう……思っているの?
「…お母様は私のこと嫌い?産まなきゃよかったと思うくらいいらなくて邪魔な子?」
その質問に答えて…お母様。
そしたら…そしたらちゃんと……いなくなるから。
「……ええ、嫌いよ。産まなきゃよかった…あんたなんか…。本当に邪魔で仕方なかった!」
私の方を見て睨んだお母様の目はとても冷たくて…私にはもう無理だと思った。
「……っうん、わかった。…お母様、幸せになってね…ばいばい」
そう言って私は雨が降る中、傘もささず私は外に出た。
早くあの家から離れるために私は…雨の中を走り抜けていく。
ちゃんとあの時、笑えてたかな?
泣いていなかった?
大丈夫だったよね?
私はピタッと足が止まった。
そしてその場に膝から崩れ落ちて…。
「ひっく…うわぁあん……っ」
今まで堪えてきた感情が一気に押し寄せてきた。
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