あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
「幸希先輩がどれだけプレッシャーに耐えてきたと思う?幸希先輩がどれだけ母親の暴力暴言に耐えてきたと思う?幸希先輩がどれだけ……っ」
涙が溢れて溢れて……とどまることはなくて。
「どれだけ…傷ついてきたと思う?クラスメイトにもいじめられて…傷ついた心と身体…。誰が癒すんですか?幸希先輩は僕に言いました。助けてって…。居場所がないって言ってました。居場所を奪ってたのは…傷つく原因を作ったのは全部…あんたじゃないか……っ」
それなのにまたあなたは…幸希先輩から居場所を奪おうとしているんですか?
息を引き取ったら連絡しろ?
息があるうちは最善を尽くせ?
なにふざけたこと言ってるんだ?
「幸希先輩はあんたの物じゃない!!たった一人の大切なあんたの娘じゃないか!あんたにとって幸希先輩は物なのか?違うだろ!あんたにとっての幸希先輩は"幸せな希望"…そうでしょ?」
幸希先輩は何度も手紙でそう言っていた。
"幸せな希望"
いつの日からかそんなことはないとも書いてあった。
どれだけ苦しんだんだろう?
< 158 / 179 >

この作品をシェア

pagetop