あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
何も無い時にはよく窓の外をボーッと見つめていることがあった。
金はたくさんやってるんだが足りないのか?
それとも使ってないのか?
私は毎月何百万かわからないが家に置いている。
妻と娘の分を分けて。
秘書によると妻の方は毎月全額しっかりと使っているらしい。
幸希の方はあまり使ってないとのことだった。
それでもあまり気にはならなかった。
何か買いたいものとかがあって貯めているのか?
言ってくれれば買ってやるのに。
心の中でそう考えながら目の前の書類を片していた。
『お父様、私…』
『今は忙しいから後にしなさい』
そう言ったことが何回あったことか。
幸希はいつも私に何か言いたそうにしていた。
幸希がそう口を開く度に私はそう言って後回しにしていた。
私は本当に後悔だらけだな……。
そして高校に入って二ヶ月くらいしてからだろうか。
『幸希お嬢様が毎日婚約者の堀北栄知様と会っておらず別の男性と会って食事してました』
と秘書がそう言った瞬間、私の頭の中にはなぜ?…としか思わなかった。
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