あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした

『優星』
それでも構わない。
もう私は…きっと大丈夫。
だって──。
『幸希先輩！待って…』
必死に手を伸ばして私を掴もうとする優星に私は優星の頭をポンっと手をおいてよしよしと撫でた。
『もう目を覚ましな。…待ってるよ』
目を見開く優星に私はニコッと笑った。
早く、目を覚まして優星。
私は君を待ってるんだから。

私は目が覚めると病院の照明の光に目が眩んだ。
ま、眩しい…。
そして私はあることに気がつく。
「…優星」
私の手をギュッと握って眠る優星。
その手は離さないとでも言うかのように固く…強く握られていた。
温かくて優しい君に私はまた…救われた。
「ありがとう、優星」
私は窓の外を見上げた。
日差しが眩しく感じた。
だけど…清々しいとさえも思えた。
そして少ししてから…。
「ん…」
やっと目を覚ました寝ぼけた優星に私は満面の笑みで言うの。
「おはよう、優星」
…ってね！

──だって私が目を覚ましたらきっと優星がそばにいる。
私は1人じゃない。
もう……1人ぼっちな寂しい私なんかじゃない。