あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
父親と借金
あやの先輩と放課後を過ごすようになってから1ヶ月とちょっとが経った。
そして夏休みにも突入していた。
「お邪魔しまーす」
元気よく挨拶をして家に上がったのはあやの先輩だ。
今日は僕の家で遊びたいというあやの先輩から言われたので特に何もない家で良ければと了承した。
「あの、どうぞ…麦茶です」
そう言って僕はあやの先輩が座っている前に氷を入れた麦茶を差し出した。
「ありがとう!いただきまーす」
あやの先輩はそう言うとコップを持って一気に飲みほした。
そして空になったコップをテーブルの上に置く。
「キンキンに冷えてて美味しい!これが麦茶って言うんだね〜」
まるで初めて飲んだみたいな言い方だった。
…本当に初めて…なのかな?
「そういえばお父さんは今日はお仕事?」
「はい、そうです。臨時で募集されてるやつだったので3日くらいはその仕事かと」
僕がそういうと、
「なるほどね〜」
と頷いていた。
「今日は何時帰ってくるのかわかる?」