あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
これは…どういう状況なんだ……?
「ありがと……ありがとっ」
「?」
ありがとう?
それってどういうこと?
あやの先輩が父さんに何か感謝されるようなことをしたのか?
この30分で…?
「……」
あやの先輩ならやりかねないな。
それにあまり詮索しない方がいいよな。
僕は父さんの隣に腰を下ろして父さんの背中をさする。
「大丈夫か、父さん」
「優星…お前はいいお方を友人に持ったな」
僕を見てそう言った父さん。
「…うん、あやの先輩はとってもいい人だよ」
僕はうんうんと頷いた。
目の前にあやの先輩がいることを忘れて…。
「へぇ〜!そんないい人だなんてーっ!」
そう言ったあやの先輩に僕はハッとした。
本人目の前に僕は何を言っているんだ!
すっごく恥ずかしくなって僕は勢いよく立ち上がった。
「そういえば夜ご飯作らないと〜」
と誤魔化して切り抜けようとしたがあやの先輩は余計に食いついてしまった。
「え!?優星ってお料理できるの?」
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