あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
……反則だろ、その笑顔っ!
僕の顔はきっと真っ赤になってるだろう。
本当にあの笑顔の不意打ちは心臓に悪すぎる……っ。
気を紛らわせるためにあやの先輩に声をかける。
「何か食べたいものリクエストありますか?」
と僕がそう聞くあやの先輩は、
「うーん、そうだな……。カレーも食べてみたいしから揚げとかあと〜」
すっごく悩んでいるあやの先輩に僕は堪らず吹き出した。
「あははっ!」
僕が突然吹き出し、思いっきり笑いだしたのであやの先輩も父さんも2人とも驚いていた。
父さんなんか涙も引っ込んでいる。
「ちょっと!そんなに笑うことないでしょ!!」
あやの先輩がプクッと頬を膨らませていた。
「だって…すごい悩んでるから……っ」
今日はあやの先輩のいろんな一面を見れた気がする。
とっても嬉しそうに笑った顔も。
何が食べたいか聞いてすっごく悩んでる顔も。
それに笑っていた僕に怒っている顔も。
あやの先輩のことを知れるのがこんなにも楽しくて嬉しくてもっと一緒にいたいと…そう思った。
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