あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
今日食べた中でりんご飴が一番好きって言ってたっけ?
今度家来たら作ってあげようかな。
そしたらあやの先輩は喜んでくれるかな?
『ありがとう優星!!』
気づけば僕はあやの先輩の事をいつも考えていた。
知らない間にこんなにもあやの先輩が僕の頭を締めていたなんて…。
「想像つかなかったな……」
なんて独り言を呟いていると…。
「あれ優星?」
そう僕を呼ぶ声は聞き覚えのある声だった。
僕は振り返るとやっぱり知っている人だった。
「やあ、猪里」
「なんか久しぶりだねー」
「そうだね」
夏休みになってから会うのは初めてだな。
お互い遊びに行くような中でもないし…。
それにいつもあやの先輩と一緒にいるからな。
そんな暇ないか……。
「優星1人で来てるの?」
「ううん。あやの先輩と一緒だよ」
「あやの先輩?ってあのあやの先輩!?」
すごく驚いている猪里。
まあ無理もないか。
だってあのあやの先輩だもんな。
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