あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
いじめられてる…?
あやの先輩が?
『そんなの嘘だろ?』
だってあのあやの先輩だぞ?
あんなに可愛くて優しくていつもニコニコ笑ってるあやの先輩に限ってそんなこと…。
『それに…1年の時もいじめられてたって…』
「この痣まだ押すと痛くてさ〜」
『皆…見えないとこに暴力振るうって』
「なかなか消えないんだ」
僕は……。
「本当に…痣、なんですか?」
僕は……っ。
「…うん、そうだよ!」
僕は……っ!!
「そう…ですか……っ」
僕はあやの先輩がそう言うならそれを痣だと…タンスの角にぶつけてできたってことにします。
あやの先輩を疑いたくない。
僕はあやの先輩を信じる…。
『でもね、他の人が言うには先輩はきっと家族にも暴力振るわれてるんじゃないかって噂があるの』
あやの先輩が痣だと言うなら…。
『それにあの先輩は……』
もう考えない。
猪里が言っていたことも噂のことも…僕は聞かなかったことにする。
あやの先輩がそうして欲しいなら…。
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