あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
そう考えたら僕の目の前は真っ暗になった。
意識がなくなった。
ただ1つ…覚えていることは……。
「優星っ!しっかりして、優星っ!!」
必死に僕の名前を呼ぶあやの先輩の声だけ…覚えている。

次に目を覚ますと見慣れた天井が視界にうつった。
「僕の…家?」
その見慣れた天井は僕の家の天井だった。
僕はゆっくりと体を起こす。
僕…いつの間に帰ってきたんだ?
あやの先輩に腕を捕まれた辺りからの記憶がない……。
ふっと、右手に温もりがあるのを感じた。
僕はパッとそちらの方を見るとそこには…。
「あ……やの先輩?」
すやすやと眠るあやの先輩がいた。
ギュッと僕の右手を掴んで眠っていた。
どうしてこんなところに?
もしかしてあやの先輩が運んでくれたのか?
僕はあやの先輩のサラサラな髪を撫でる。
「ありがとうございます…あやの先輩」
今のこの時間がずっと……ずっと続けばいいのに。
その数時間後にあやの先輩は目が覚めた。
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