あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした

僕とのことがバレたから監禁されている。
…ということに。
「君と放課後遊び歩いてて食事も一緒にしてるって報告がいったみたいでね…幸希は父親から呼び出されたんだよ。きっとその次の日から放課後幸希は来なくなったでしょ？」
「……はいっ」
そんな理由があったんだ……。
「まあ幸希はいずれこうなるかもとは言ってたけど…」
「え？」
「自分の父親だから。やることはだいたいなら予測はできるよ。特に幸希ならね」
あやの先輩はそんなリスクがある中で僕と一緒にいてくれたのか？
僕があの日みたいなことをしないように…見張っていたのかな？
「スマホも没収されてるからな」
あやの先輩…貴方はどれだけ背負っているんですか？
僕は貴方のこと…全くわかっていなかった。
きっとまだ…僕には知らない貴方がいるんだ。
…そして僕は堀北栄知に途中まで送ってもらった。
何かあった時のためにと連絡先も交換した。
「あやの先輩…」
消え入りそうな…弱々しい声で僕は今、会いたくてたまらない大好きな人の名を呼んだ。