あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
「あ、そうだ!紹介したい人がいるんだ!優星!」
突然、僕の名を呼ばれてビクッとしてしまった。
胃が…痛いです、幸希先輩。
心の中で助けを求めるが……。
「同じ高校に通ってる葉山優星だよ。優星、こっちが左から順に桐生美琴、篠野琳斗、堀北栄知。英知には会ったことあるよね?」
「うん」
……どうやら気づいていないみたい。
あ、終わったな…。
僕は感情を無にした。
もう無理だ。
そう思っていたら。
「久しぶりだな、優星!」
ガシッと僕の肩に腕を回したのは堀北栄知だった。
「お久しぶりです、えっと…」
どうしよう、なんて呼べばいいんだ?
フルネームはさすがにな…かといっていきなり名前呼びも。
やっぱり苗字だな!
そう思って呼ぼうとすると…。
「英知でいいぞ!呼び捨てで!あと敬語なしな!堅苦しいの苦手なんだよ」
「英知は昔からそうだもんね」
とニコニコ笑って話す幸希先輩。
幸希先輩がそう言うなら…。
「じゃあ英知…さん」
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