あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
「さん?」
「だって年上ですし…」
さすがに年上の人に呼び捨ては少し抵抗があるんだよな…。
でも…すごい睨んでるな…。
このままじゃ永遠に終わらなそう…。
「英知」
「うん、それでいい!」
満足そうに頷く英知に僕も少しだけ緊張が解れた。
「俺のことは仕方ないから琳斗でいい。敬語は使え」
とすごく上から言われてしまった。
まあ年上の人だし仕方ないか…。
「えっと、わかりました、琳斗さん」
「さんはいらん」
「…琳斗!敬語なしでいいじゃん!!」
プクッと頬をふくらませている幸希先輩。
その場の全員がキュンとなった。
…全員……?
「し、仕方ないから敬語もなしでいい」
「あ、はい……わかりまし…わかった、琳斗」
危ない、敬語で言いそうだった……。
最後に声をかけたのは……。
「僕のことは美琴でいいよ〜。僕、君より年下だけど敬語なしでいいよね〜?」
と女子がよくやっている萌え袖で言った美琴。
なんだかこれがあざといというのだろうか?
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