あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
小さくて遠くて見えないがたぶん机の上には落書きがされていたと思う。
机の中にもたくさんのゴミが詰められていた。
椅子にも落書きがあった。
これは……何?
いじめ……っ?
「…ていうか綾野ってまだ保健室登校なのかな?」
「!」
僕は急いで隠れた。
綾野って……幸希先輩のことだよな?
たぶん……。
それより幸希先輩が保健室登校?
僕は教室の後方の方にある扉にいて、幸希先輩の話をしていた人達は扉を挟んだ向こう側にいる。
正直ここで隠れてても怪しいよな…。
でもなぜかこの話は聞かないと行けない気がする…。
「もう半年は経つよねー」
「5月くらいからだよね?」
そんなに前からなのか?
「あいついないとつまんないわ」
「それな〜!」
幸希先輩人気者なのかな?
僕は少し嬉しくなった。
幸希先輩の存在はこんなにも皆にとって大切で必要なんだと思ったから。
僕は保健室に行ってみることにした。
もう少しその場にいたらよかった。
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