あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
そうすれば気づけたのに…。
どうして僕は──。
「あいついないとストレス発散できないんだけど〜」
──僕はいつも大事な時に気づけない。

僕は保健室の前で呼吸を整えてからノックをして入った。
「失礼します」
保健室に来たのはあの時のことを含めて今日で3回目だな。
1回目は今日で2回目は幸希先輩を運んだ時。3回目は入学して1ヶ月が経ったくらいだったかな?
クラスメイトの1人が体調崩して運んだっけ。
保健の先生いなくて焦ってた僕をあの時保健室にいた人に助けてもらったな…。
誰だったか忘れちゃったけど。
僕が保健室に入ると保健の先生がいた。
「あら、いつかの男の子じゃない」
「どうも。あの時はありがとうございました」
僕はぺこりと頭を下げた。
そして保健室内を見回した。
ベッド1つ使われてる。
もしかしたら……。
「幸希先輩…いますか?」
僕はベッドの方に向かって声をかける。
もし違ったら今日は来てないってことかな?
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