あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
僕がお弁当を出すのを見てそう聞いてきた幸希先輩に僕は頷いた。
「はい、そうです!父さんの作ってるので一緒に作ってるんです!」
僕はお弁当箱を開けた。
今日は卵焼きと唐揚げ。
それからトマトやミニグラタンが入っている。
父さんの好きな料理を詰め込んだものだったな。
僕は幸希先輩に何かいるか聞こうと先輩の方を見てギョッとした。
「美味しそ〜!」
僕のお弁当をすっごい見ていた。
少しよだれが見えるような……。
そういえば幸希先輩のお昼なんだろう?
何も見当たらないけど…。
「…」
幸希先輩にはいつもお世話になってるんだし…よしっ!
「あの良ければ入りますか?僕、今日はあまりお腹空いてないのでおにぎり1つあれば十分なので!」
と僕が言うと幸希先輩は…。
「いいの?!ありがとう!」
そう言って美味しそうに食べた。
お弁当…作ってきてよかった。
「すっごく美味しい!」
幸希先輩は食べながらそう言っていた。
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