LOVE STRAWBERRY★SHORT

式典が終わると各自バラバラと、食事をしに行く人達、遊びに行く人達なんかで、好きに帰っていった。

まるで放課後みたいにワイワイと、家路に向かうみんな。

あたしは友達らの誘いをやんわりと断り、1人式典の終わった体育館に戻ってみた。


1つ2つと、さびしげに点る電気。
後片付けもすでに終わってたようで、人の姿はほとんどなくなっていた。

すぅと息を吸い込む。

懐かしい匂いと、目の前に広がる大きなスペースが。

あたしをあの時まで、戻してくれた。

あの日。

泣けなかった、あの、夜。


< 58 / 140 >

この作品をシェア

pagetop