LOVE STRAWBERRY★SHORT
山碕くんも、あたし達が別れたわけ、知らないのかな。
背中をポンと叩かれて、送り出される。
「じゃあね、山碕くん」
「おぅ!」
山碕くんは、さっと右手を上げ笑った。
…なんだか不思議な感じ。
ここに。
同じ時間と場所に。
彼がいる。
その彼に、あたしはさっきとは違う気持ちで向かおうとしている。
もちろん緊張が頭の中で渦巻いて、体もうまいように動いてはいない。
だけど、なんだか外の天気みたく大荒れではない、落ち着いた気持ちなんだ。