私のヒーロー
ん…ここ、は…?
ふわっとしたベッド。ここが自分の部屋だと直感的にわかった。そして近くで、あの二人の先生が何か話している。
「お茶を買いに行ってたんですかね…」
「多分そうだろうね。でも寒いところにいると発作が起こるのは知っているはずなのに」
「僕たちに頼めば買ってきたんですけどね」
「多分そのことは分からなかったのかな。前回が中学生のときだから家族がいたみたいだけど、大学生になったあと、両親が海外赴任して、祖父母はいないみたいだから」
この2人はなぜか私のことを詳しく知っていた。今までの先生よりも。謝らなくちゃ、そう思って起き上がろうとした。
「あ、目覚めた?おはよう!まぁ、もう夕方なんだけどね」
「迷惑かけてごめんなさい。寒いところにいると発作が起こることなんて、子供の頃からわかっていたのに」
子供の頃から、冬はあんまり長く外に居られないから、スキーとかしてみたくても発作が怒るのが怖くて出来なかった。冬は学校の廊下でさえも危なかった。冬は寒い場所に行かないって意識し
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