私のヒーロー
「おぉほんとだ!でもあんまりお外には出せないかな」
「そんなぁ…」
雪が降り始めた。外に出られるかなと思ったけど、聞く前に止められてしまった。出られなくてへこんでいると、いつの間に吹雪いてきた。雪も積もり始めている。
「秋華、ちょっとまってて!」
急にそう言って悠真は出ていってしまった。急にどうしたんだろう。付き合い始めてわかったけど、悠真はたまにこうやって急なところがある。
(まぁ、気長に待っていよう…)
しばらくすると、手に''あるモノ''を持って悠真は戻ってきた。
「え、」
「驚いたでしょ。外に出られないって言ってたから、代わりにこれ!あげる」
それは小さな雪だるまだった。木の枝の手と、白い体。おまけにまん丸の目、とても愛くるしくて可愛い。そう言うと、一緒に持ってきたドライアイスと水槽を使って、雪だるまくんの家を作り始めた。
「よし!これでしばらく大丈夫だね」
そう言いながら手を擦り始めた。すごく赤くなっ
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