私のヒーロー
そしてコンクール本番、
「みんな、やることはちゃんとやってきた。後はいつも通りやるだけ。いい?行くよ!」
みんなに言い聞かせ、自分にも言い聞かせた。悠真は多分来ていない。行きたいってすごく行っていたけど多分行けないかもしれないって言っていた。本当は来て欲しかった、でも仕方がない。そう思いながら本番に向かった。

《悠真side》
今日は秋華のコンクールの日だ。休みを取ろうと思ったけど無理だった。見に行きたかった…。そんな思いを抱きながら仕事をしていると十時くらいに、
「先輩!急いでください!間に合いませんよ!」
なぜか今日、一度も見かけていなかった奏斗が急にそんなことを言いながら息を切らして診察室に来た。
「どういうこと?てか何してたの?」
「朝から院長を説得してたんです!その結果、先輩は今日は休みでいいことになったんですよ。ほら早く支度して行ってきてください!」
俺は目を見開いた。まさか院長を説得していたとは。本当にいいのかは分からない。でも、
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