私のヒーロー
そういう意味があります。だから、辛いことがあっても、前を向いていてください。_これで終わります。」
終わったあと、俺はいつの間に泣いていた。これは、彼女と話している時にさりげなく言った一言だった。まさかその一言を覚えてくれていたなんて。覚えてくれていた、ただそれだけで、こんなにも嬉しいなんて思わなかった。
その後、花束を持って会場の外に集まっている秋華のところに向かった。
「みんなおめでとう!演技、見てた。すごい良かった!スピーチも良かったよ!あ、これ、秋華、おめでとう」
そう言って俺は花束を渡した。その花は、
「この花はヒペリカム。花言葉は煌めき、悲しみは続かない。これはポトス。花言葉は長い幸、華やかな明るさ。そしてこの花はブーゲンビリア。花言葉は情熱、あなたは魅力に満ちている…。」
もうひとつを言うのは少し恥ずかしいけど、秋華は鈍感だから多分言わなくちゃ伝わらない。
「_あなたしか見えない。」
「えっ…」
そう言うと、秋華は泣いてしまった。まだ言いたいこと言えていないのに…。でも言わなくちゃ。
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