極上イケメンと溺甘同居。 〜何もかも失った私が、イケメン建築士に毎日愛された結果。〜
「本当ですよね、でも同棲してましたよね? どこにいるんですか?」
「今はホテルで暮らしてる、かな。まぁ、あのマンションは彼の名義だったし家賃は彼が払ってて請求されることはないと思う。それに、生活費は割り勘みたいな感じだったけど……私が現金を渡す感じで振り込むことないから大丈夫だと思う」
「いやいや、それはどっちでもいいけど。いやよくないけど……! てか、ホテルって! 危なくないですか」
「大丈夫だよ、ちゃんとしたセキュリティーがあるし……ここから近いんだよ」
美園さんは「それ、無防備すぎますよ!」と言うと、唸る。彼女に私の家来ないかと誘われたけど、彼女は大学生だし実家暮らしだからそれは遠慮する。
「あっ、先輩。あれって梶原さんじゃないですか? まだ残っていらっしゃったんですね……」
「本当だ、あの人とっても丁寧な人ですよね……なのに、なんでカップリング一度もないんだろうね。顔もイケメンなのに」
「イケメンだからですよー」
梶原さんとは、この婚活イベントに何回か参加してくださる方なのだが一度もカップリングされたことないし、いいせん行ってたんだけどってこともない。今月は、十連敗中である。
美園さんが言ったように彼はとてもイケメンで、チラッと学歴を見たら“一級建築士”という字も見えたし……優良物件のはずなのに。
「……今日も、ありがとうございました」
「はい、ありがとうございます」
本当に不思議だなぁ……私なら、相手が求めてくれるならば真っ先に結婚したいのに。