極上イケメンと溺甘同居。 〜何もかも失った私が、イケメン建築士に毎日愛された結果。〜


 梶原さんと話はすると言ったが、まだ就業時間まで十五分あったので仕事を終わらせてから指定されたこの場所の前にあるカフェに向かった。


「梶原さん、お待たせしました」

「楠村さん。お疲れ様です」


 私が店内に行き、彼を見つけるとコーヒーを飲んでいてとても様になっていて……それだけでイケメンだ。


「お待ちいただいてありがとうございます」

「いえ。全く……何か飲みますか? それともお酒とかの方がいいですか?」

「私、お酒は飲めなくて。だからカフェオレにします」

「そうなんですね、実は俺も飲めません」

「はは、知ってます。この前教えてくださったじゃないですか?」


 梶原さんとは何故か話が弾み、彼のプロフィールは何度かイベントで見たことあるのだけど私は全く知らないのもフェアじゃないので私も自己紹介した。そしてなんで、結婚したいと思っていたのかを……。


「……なるほど。二股されてたわけだ。それに自分とは体の関係になったことなかったのに、浮気相手だか本命だかわからない若い女とは寝ていたと。それって“キープ”ってことじゃないですか?」

「はっきり言いますね、梶原さんって。まぁ、そんなところですね」

「すみません。そういえば、なんで楠村さんは婚活イベントのスタッフさんにされているんですか? 婚活イベントには参加していてもあまりそういう仕事よく知らなくて」

「そうですね。私、大学時代にアルバイトとして入ったんです。大学は保育科で保育園の先生を目指していて、だけど人前で話すのは苦手だったので自信をつけたくて婚活イベントというあえて人がいる前で司会をするこの会社に……それから保育士にはなれたのですけど、この仕事が好きで保育士にはならないで正社員登用という制度を使って社員になりました」


 そう言えばこんな話、親にもしてなかった気がする……保育士になりたいから大学に行かしてもらったのに違う職種に就いてしまって。納得はしてくれたけど、理由とか話してなかったし。



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