全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
暗くなってからのお祭りは昼間より一層賑やかで、目に映るもの全てがきらきらして見えた。
結局、一緒に来ていた大人たちの元に戻ったのはそれから二時間も後で、私とサイラスは散々叱られてしまった。
サイラスはその時も、自分があちらこちらに連れ回したせいでこんなに遅くなってしまったのだと言って一人で怒られようとしていた。
私はサイラスが、怖い顔をした執事長のほうまで一人で説明しに行くのに気づいて、慌てて訂正しに行ったのだ。
サイラスは少しお店を回ったら帰ろうと言っていたのに、私がまだいたいと何度も引き止めたのだと。
執事長はしばらく厳しい顔で私達にお説教をしていたけれど、最後には仕方ないなという顔で笑っていた。
「……覚えています。お嬢様と終わりかけのお祭りを回りましたね」
「あの時はすごく楽しかったわ。でも、私ってわがままな子供だったわね。サイラスに迷惑をかけて」
申し訳なくなってそう言うと、サイラスは首を横に振った。
「私もすごく楽しかったです。あの時のことは、今でも懐かしくてよく思い返すくらいです」
「本当に?」
「はい。それにお嬢様が私を頼ってくれたのが嬉しくて、つい立場を忘れてしまったんです」
サイラスは照れたようにそう言った。私はその言葉にまた嬉しくなってしまう。
結局、一緒に来ていた大人たちの元に戻ったのはそれから二時間も後で、私とサイラスは散々叱られてしまった。
サイラスはその時も、自分があちらこちらに連れ回したせいでこんなに遅くなってしまったのだと言って一人で怒られようとしていた。
私はサイラスが、怖い顔をした執事長のほうまで一人で説明しに行くのに気づいて、慌てて訂正しに行ったのだ。
サイラスは少しお店を回ったら帰ろうと言っていたのに、私がまだいたいと何度も引き止めたのだと。
執事長はしばらく厳しい顔で私達にお説教をしていたけれど、最後には仕方ないなという顔で笑っていた。
「……覚えています。お嬢様と終わりかけのお祭りを回りましたね」
「あの時はすごく楽しかったわ。でも、私ってわがままな子供だったわね。サイラスに迷惑をかけて」
申し訳なくなってそう言うと、サイラスは首を横に振った。
「私もすごく楽しかったです。あの時のことは、今でも懐かしくてよく思い返すくらいです」
「本当に?」
「はい。それにお嬢様が私を頼ってくれたのが嬉しくて、つい立場を忘れてしまったんです」
サイラスは照れたようにそう言った。私はその言葉にまた嬉しくなってしまう。