全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
その後、私たちはたくさんのお店を見て回った。
男性向けの洋服店や雑貨店を見かけて入ろうと勧めると、サイラスは一応お店に入ってはくれるものの、欲しい物も言わずに短時間で出ようとする。
そうして私の好きそうなお店ばかり探して誘導した。
「もー、私の買い物に来たんじゃないって言ってるじゃない」
「すみません。つい」
サイラスは謝りつつも、やっぱり自分向けの店には目を向けようとしない。
その上、サイラスの腕には大量の荷物が抱えられていた。どれも私に買ってくれたものばかりだ。
せめて荷物くらいは自分で持つと言っても渡してくれないので、これではちっとも恩返しになってないではないかと不満だった。
今日のサイラスは執事として同行しているわけではないのに。
「お嬢様、ありがとうございます。今日は人生で一番いい日です」
それなのにサイラスは腕いっぱいの荷物を持ちながら幸せそうにしている。
「こんなのが楽しいの?」
「はい。ずっとお嬢様とジャレッド王子が一緒に出かけるのを見てうらやましかったんです。お嬢様のおかげで夢が叶いました」
あんまり嬉しそうに言うので、それならいいのかなぁなんて思ってしまう。
それにしても、サイラスはそんなに私と一緒にお出かけしたかったなんて。なんだか可愛い。前回の人生でも街歩きくらい付き合ってあげればよかった。
「お出かけくらいいつでも付き合ってあげるわ」
「え…っ、いいんですか!? いや、お嬢様に何度も時間を使ってもらうわけにはいきませんから!」
サイラスは目を見開いて嬉しそうな声を上げた後、慌てたように首をぶんぶん横に振っていた。遠慮しなくてもいいのに。
男性向けの洋服店や雑貨店を見かけて入ろうと勧めると、サイラスは一応お店に入ってはくれるものの、欲しい物も言わずに短時間で出ようとする。
そうして私の好きそうなお店ばかり探して誘導した。
「もー、私の買い物に来たんじゃないって言ってるじゃない」
「すみません。つい」
サイラスは謝りつつも、やっぱり自分向けの店には目を向けようとしない。
その上、サイラスの腕には大量の荷物が抱えられていた。どれも私に買ってくれたものばかりだ。
せめて荷物くらいは自分で持つと言っても渡してくれないので、これではちっとも恩返しになってないではないかと不満だった。
今日のサイラスは執事として同行しているわけではないのに。
「お嬢様、ありがとうございます。今日は人生で一番いい日です」
それなのにサイラスは腕いっぱいの荷物を持ちながら幸せそうにしている。
「こんなのが楽しいの?」
「はい。ずっとお嬢様とジャレッド王子が一緒に出かけるのを見てうらやましかったんです。お嬢様のおかげで夢が叶いました」
あんまり嬉しそうに言うので、それならいいのかなぁなんて思ってしまう。
それにしても、サイラスはそんなに私と一緒にお出かけしたかったなんて。なんだか可愛い。前回の人生でも街歩きくらい付き合ってあげればよかった。
「お出かけくらいいつでも付き合ってあげるわ」
「え…っ、いいんですか!? いや、お嬢様に何度も時間を使ってもらうわけにはいきませんから!」
サイラスは目を見開いて嬉しそうな声を上げた後、慌てたように首をぶんぶん横に振っていた。遠慮しなくてもいいのに。